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2009年1月28日 (水)

国際的に通用する教養とは

頭にちょっと風穴を―洗練された日本人になるために 頭にちょっと風穴を―洗練された日本人になるために

著者:廣淵 升彦
販売元:新潮社
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洗練された人々は、国の最大の安全保障になる。しかし、日本では大学が専門学校化し、歴史や古典、文学や芸術といった一般教養を軽んじている結果、退屈な男女が急激に増えている。

国家も個人も、この複雑な世界で無事に生きてゆくためには、「知的装備・精神的部品」といったものが欠かせない。ところが日本人の多くは、いわば「知的武装を欠いたままで」外国を見たり、対外交渉に臨んだりしている。資源も軍事力もない日本が、この困難にみちた世界で生き延びてゆくためには、どうしても世界のことをもっと知る必要がある。

世界のことを知るためには、「知識」はもちろんだが、さらに「ユーモア感覚」や「心の感度」が必要である。心のアンテナの感度がよくないと、重要なことも見えないし迫り来る危機も感知できない。おしゃれな心、笑い、余裕といったものがどうしてもほしい。

☆☆☆--本書の副題は「洗練された日本人になるために」です。そのためにどうすればよいか。本書で道筋が示されるわけではありませんが、知識を身につけ、想像力を働かせ、そして「精神の車輪」を持つ。目に入るもの以外のものを見、柔軟な発想を持ち、他者の存在・意志を想像する。自国にないが他の文明圏にはあるもの、自国では通用するが他国では通用しない価値観への思いも必要。道は遠くはるかですが、道しるべとなるものを持ちながら歩んでゆく。そんあ姿を想像します。

2009年1月25日 (日)

ものを使うこころ

京の一生もん (みやこの御本) (みやこの御本) (みやこの御本) 京の一生もん (みやこの御本) (みやこの御本) (みやこの御本)

著者:中井 忍
販売元:紫紅社
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大事に使ったら一生使えるもの。消耗品であっても、何度も買ってずっと使っているもの。京都の職人さんや商家の皆さんが、手をかけ心をかけてつくったものは、ほんとうに「ええもん」が多いです。すでに完成され洗練を極めた品々。それらがいまも受け継がれていることがなにより凄いことですが、実際にそれらをつくり守る皆さんは、それを「当たり前」とおっしゃるのです。

ゆるぎない「京都の価値観」。これが京都の町を魅力的にしています。その京都が生み出す「一生もん」。きっとこれからも、ずっとのこっていくのだと確信します。

☆-- 京都でつくられる美しい品々。それらの写真を見るだけでも十二分に価値があります。それらが「一生もん」になるかどうかは人それぞれですが、よいものを大切に使う。そのことが職人や商家だけでなく、それを使う人を育ててくれる。そう思います。

2009年1月24日 (土)

映画と人生

映画と共に歩んだわが半生記 映画と共に歩んだわが半生記

著者:淀川長治
販売元:近代映画社
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映画が本当に大好きで、その道をつきすすんだ淀川氏。子供の頃から数多くの映画を見てきた、その半生が記されます。映画で育ち、映画で仕事を得て、映画で人生を切り抜けてきた。そのような感じがします。

活動写真からトーキー、そして今の映画へ。映画が移り変わっていく中で、今から思えば黄金期の映画とスター達。映画そのものとともに、個々の映画を心から愛してきた。この人の半生記は、そのまま映画黄金期の歴史と重なるようです。

昔の映画の知識と歴史を概観するにはとても楽しい本です。

☆☆

2009年1月21日 (水)

リーダーシップとは

最前線のリーダーシップ 最前線のリーダーシップ

著者:マーティ・リンスキー,ロナルド・A・ハイフェッツ
販売元:ファーストプレス
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リーダーシップの機会は毎日訪れる。自分を危険にさらすことは難しい仕事である。なぜならそれは本当の危険だからだ。しかし、それは尊い仕事である。それが皆に与えるものは計り知れない。

自らの役割と自己を混同してはならない。役割は主に周りの人々の期待によって作り上げられていくものであり、いつかは終わりを迎えるものだ。一方自己は人生を通じて経験した物事やそこからの学習、それらによって磨かれた価値観によって成り立つものであり、周囲の期待とは関係がないものだ。

周囲の人があなたに反応するのは、あなたの人柄もあるが、主にあなたの役割に対して、である。人々があなたを非難するとき、危険にさらされているのはあなた自身ではない。あなたの役割であり、人々が気にしているのは彼らが失うことを恐れている彼ら自身の利益だからだ。だからこそ、人々の批判を自己に対するものとして受け止め、自尊心の問題としてはならない。 想像してみよう。あなたが今の役割・地位・仕事から離れたとき、彼らはそれでもあなたを批判するだろうか?

自らが肉体的にも精神的にも安心できる聖域を持とう。そして自己を保とう。厳しい状況に陥ったときには、この聖域があなたを維持してくれる。無感覚になることなく、反撃せず、防御せず、人々のあらゆる感情に対して包容力を持ち続けることが大切なのだ。

☆☆☆-- なぜリードする必要があるのか。リーダーは何を考える必要があるのか。数値化できないもの、形式ではなく本質を意識すること。さまざまな示唆に富む本です。冒頭に紹介した「リーダーシップの機会は毎日訪れる」。誰でもその機会があるからこそ、心構えを持ちたいものです。

2009年1月18日 (日)

世界と日本の動き

 金融マーケットを先読みせよ 世界と日本経済の潮目 2008 メディア情報から読み解くマネーの潮流 金融マーケットを先読みせよ 世界と日本経済の潮目 2008 メディア情報から読み解くマネーの潮流
販売元:TSUTAYA online
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2008年の後半は経済を発端として、世界が大きく動きました。それでは2009年はどうなるのでしょうか? 改めて2008年がどうなると考えていたのかを振り返るときに興味深い本です。

「価値あるモノ」をめぐり数多くの情報とマネーが流れる。そしてそれらは常に量と内容が変化している。この動き、情報とマネーは切っても切れない関係にある。マネーが流れるためには、情報が流れ、世界に広がる必要がある。そしてその「情報」は、仕掛ける側の意図・影がちらついている。この情報に着目し、その意図を汲み取ることで、「情報」の背後にある意図と利益をめぐるイメージが描けるようになるのだ。

2007年の動きを振り返り、2008年に向けてどうなるか、を読み解いていこう。偽米ドルは誰が作ったか、で争いがあった。これは経済面での新たな動きを示唆するものだった。その後、世界同時株安と円安、FXブームが続いたが、日本の内政は混乱したまま。9月には安倍首相が辞任。その中で世界ではアメリカと中国が密接につながり始めるとともに、中国バブル崩壊の兆しが見えてきた。

2007年はサブプライム・ローンとチャイナ・ショックがあったが、あくまでこれは崩壊の予行演習でしかない。2008年は栄華の終わりを見るだろう。

☆☆--予測本を後から読む、というのは興味深いものです。筆者が推測した結果はどうだったか。どこの仮説に誤りがあったか、など、学ぶところが多いものです。2009年版も出るそうです。興味のある方はどうぞ。

私には、Open Source Intelligenceという考え方が興味深いものでした。大半の事柄は公開情報を比較検討、組み合わせ、意図を読み解いていくことで理解することができる。非公開情報でしか把握できないことは少ない、というもの。これは情報の扱い方として基本のようです。

2009年1月11日 (日)

病気を治す力

癒す心、治る力―自発的治癒とはなにか (角川文庫ソフィア) 癒す心、治る力―自発的治癒とはなにか (角川文庫ソフィア)

著者:アンドルー ワイル
販売元:角川書店
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医師から見放された患者がすっかり回復する。ほとんどの医師は一度ならずそうした経験をしているものだ。「自発的治癒」はたくさんの事例があるにもかかわらず、それがまともにとりあげられることも研究されることもない。医師たちは健康の維持にはなんらかの外部からの介入が必要だとかたくなに信じ込んでいる。

現代医学は真に深刻な状態に対処する医療技術として一時的に用いるかぎり、有効である。しかし、患者を危険にさらすという問題がある。現代医学の薬剤は本来的に効力が鋭く、毒性が強いのだ。また、この治療法を続けている限り、病気を解消するどころか、病気のプロセスを強化させてしまう可能性が高い。症状を抑えた結果、体の外部に発散できなくなった病気のエネルギーが体の内部にとどまり、より大きな問題を引き起こすことになりかねないのだ。

たとえ初期のがんであっても、体内にがんができていること自体、すでに治癒系の相当の機能不全をあらわしている。人間の体の免疫系は、がん細胞も含め、体内を監視している。その監視をくぐりぬけ、がん細胞が数多くの分裂を繰り返し、無数の世代の娘細胞を作り上げた、ということを意味するからだ。放射線療法と化学療法は、「がん細胞は通常細胞よりも分裂が速い」という仮説に基づき、分裂中の細胞を殺すことによって効果を発揮するとされている。しかし、不幸なことにその仮説が通用するのはおもに小児がんなど少数のタイプだけだ。これらの療法により、免疫系が損傷することのほうがはるかに重要な問題なのだ。

患者は自分の健康状態について主体的になる必要がある。病気は自分の身体・精神・感情・霊的なすべてのレベルで改善を行う必要があるというシグナルなのだ。食生活の改善、運動の実行、免疫機能の強化、人間関係の修復など生活上の改善を実行することが大切だ。自分の治癒力を高めることだ。自分の治癒系ががんを根絶できなかったとしても、自分のいのちに責任を持ち、行動することで、長期にわたる安定を確保し、多くのことをなしとげる時間を与えてくれることだろう。

☆☆☆--人間の体は大きな仕組みであり、一部の症状だけに着目するのではなく、全体として捉える必要がある。現代医学は一部の病気に対しては非常に有効であるが、一部の病気に対しては力を発揮できない。人間の体に宿る免疫系の力をもっと強化しよう。それにより得られることは多い。筆者のメッセージをこのようにとらえました。自分のいのちに責任を持つ。医師が言ったからといって盲目的に従ってはいけない。強い主張を感じました。本書後半には、具体的な行動プランも示されています。興味のある方はぜひお読みください。

2009年1月 7日 (水)

エコノミストと経済の歴史

エコノミストたちの栄光と挫折 ─路地裏の経済学・最終章─ エコノミストたちの栄光と挫折 ─路地裏の経済学・最終章─

著者:竹内 宏
販売元:東洋経済新報社
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日本長期信用銀行(長銀)でエコノミストとして活躍した竹内氏。彼が、長銀のエコノミストの歴史をたどりながら、長銀の調査がどの程度世の中をリードしてきたか、その時々の日本経済がどのように変化していったか、を語っている。

エコノミストと呼ばれる人たちにも3つのタイプが存在する。 1.何でも反対するタイプ。庶民の憂さ晴らし役を引き受けるが、案外所得が多く、庶民の代表とはいえない人たち  2.思索タイプ。すぐに本源的な捉え方をする。 3.すぐに対策を考えるタイプ。  望ましいエコノミストはこの3つのバランスがよい人だ。私は批判2、思索4、対策4が妥当のような気がする。

エコノミストは人事異動により調査部門に転勤し、やむなくなった人が大部分だ。ところが仕事をしてみると面白いから、熱心に働くうちに、調査能力が認められ、塩漬け状態で長く勤めることになったという人が多い。そのため、信じ込んでいる経済学説がない。経済学説には宗派があり、流行り廃りがあるから、どの宗派の信者になるかは一生にかかわる問題だ。ありがたいことにエコノミストは景気や為替の見通しが主たる仕事なので、時代に合わせて臨機応変に宗旨替えしても、人格的に非難されることはない。

私の人生は長銀調査部そのものだった。先輩や大勢の仲間とともに、一時は「小型・満鉄調査部」といわれるぐらい注目される調査部を作り上げた。長銀調査部史は世に知られる価値があると思う。

☆☆--エコノミストとはどういう人たちかを概観しながら、当時の経済情勢を知る。簡潔な文章ながら、時代の雰囲気が良く分かる本です。エコノミスト志望者だけでなく、日本経済の戦後史を知りたい方にもお勧めです。 

2009年1月 4日 (日)

一般客から見た名店の評価

シェフ、板長を斬る 悪口雑言集―東京のレストラン、料理店の評価 シェフ、板長を斬る 悪口雑言集―東京のレストラン、料理店の評価

著者:友里 征耶
販売元:グラフ社
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あるレベルに到達した料理人が本気で作れば、おいしい部類の料理を味わえます。本来一般人にとってのおいしい料理は、料理人が食材費をケチらず、どの客にも能力を発揮して一生懸命に作り、喜んでもらえるようにサービスすることによって完成するはずです。それが基本ではありますが、実際にはなかなか難しい。それは料理人の性格、店の経営方針に影響されてしまうからです。

一般人が、山本益博氏のように努力できるか、できたとしても料理人に同じようなことをしてもらえるでしょうか。答えはノーです。つまり特別料理を対象にした評価本は、一般読者にとってまったく意味がありません。そのレベルの料理が出てこないのですから。

この本は、今までの料理紹介本、評価本にはない切り口でまとめました。主に店や料理人の姿勢に左右される価格と料理、サービスやワインの満足感、そしてトータルで見たコストパフォーマンスについて述べたつもりです。この本は、読者の皆さんが今後料理店を選択するとき、他の紹介本、評価本より参考になると自負しております。

☆☆☆-- 料理評論家に対するときと一般人に対するときでは料理人の対応が異なる(かもしれない)。 言われてみれば極めて当たり前の事実をずばっと指摘しています。評価コメントの切れ味も鋭い。食後、お店を出たときに支払った金額と満足感との対比。これを基準に評価をしています。独特の切り口は時に笑いを誘ってくれます。お店を選ぶ前にぜひご一読を。

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