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2009年6月21日 (日)

文明のつながりと発展

比較文明 (UP選書 (243))

著者:伊東 俊太郎
販売元:東京大学出版会
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昔、世界4大文明というものを学習しました。エジプト、インダス、チグリス・ユーフラテス、黄河。その文明が現代までつながっている、という文脈ではなく、ある時代に大きく栄えた文明があった、という程度でした。

現代では西欧文明が中心であり最大であると考える人が多いでしょう。それは古代ギリシア・ローマ時代の文明を継続して引継ぎ、発展させた西欧諸国の文明である、という理解でした。しかし、筆者はそれに異を唱えます。

ギリシアの文明をローマは十分に吸収・発展させることができなかった。埋もれた文明を、イスラムの人たちがラテン語をアラビア語に翻訳し、内容を理解することで、それに加えて自らのものを加えて発展させてきた、と語ります。この主張は2つの内容を持っています。現在の西洋文明にはイスラム文明から引き継いだ成果が多く含まれているということと、過去の西洋諸国は、自らの遅れを自覚し、必死になって発展しているイスラム文明の吸収に努めたということです。

この視点から、西洋とイスラム圏はお互いに影響しあって成り立っていること、文明は過去から学び、新たなものを加味することで更なる発展を遂げることが分かります。ある時代のある特定個人の業績とされているものの中に、先人たちの偉大な成果を発掘しただけ、という場合があることも頭の片隅にとどめておく必要があるでしょう。

西洋を深く理解するためにはイスラムの理解も必要。それを学んだことが大きな収穫です。(☆☆)

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