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2008年5月18日 (日)

経済的自由を得るために

金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法  ロバート・キヨサキ+シャロン・レクター

金持ち父さんシリーズの6冊目。2003年7月の本ですが、このシリーズが一貫して述べている内容を端的に表したタイトルです。このシリーズの本を久しぶりに手にしましたが、改めて基本的な考え方がしっかりと書かれていることに感銘を受けました。

一生お金のことを心配しながら働くのではなく、経済的な自由を手に入れ、その上で「自分がなすべきことをなす」。これは働くことかもしれませんし、他のことかもしれません。なにを選ぶとしても、それは自分の意思でできること、です。一番印象的であったのが、本の後半部分にあったエピソード。人間は誰でも将来についての嘘をつく、ということ。ただ、この嘘は、たいていの場合、将来に本当になってしまう。だからこそ、「自分にはできない」というと、将来、本当にできない状態になる。一方で、「自分にはできる」というと、将来、本当にできるようになる。このエピソードは非常に分かりやすいものです。

この本の言うとおりにしたら必ず成功する、ということは保証できません。しかし、失敗は成功への途上であり、その失敗から学ぶことが大切である、そのことを常に意識しながら歩んでいくことで、今までとは異なる世界が開けてくる、そのことを感じさせる本です。折に触れて何度も読み返し、かつ実行に移すこと。それが大切です。

金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法 金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法

著者:ロバート・キヨサキ,シャロン・レクター
販売元:筑摩書房
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キャッシュフローゲーム101 キャッシュフローゲーム101

販売元:ファイナンシャルアカデミー
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2007年12月16日 (日)

広告コピーって

広告コピーってこう書くんだ!読本 広告コピーってこう書くんだ!読本

著者:谷山 雅計
販売元:宣伝会議
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広告コピーをたくさん目にします。この程度のものなら簡単にできそう、と感じることも多いですし、コピーライターって、華やかそうな印象を抱きます。実際のところはどうなのでしょうか?

広告を書くためには訓練が必要です。のっけからえっ? と感じますが、読み進めると納得できる内容です。発想する、考えるためにはそれ相当の熟練も必要。それを積み重ねることと、独りよがりにならないこと。このあたりのバランスが大切ということでしょうか。

アイラブ東日本のコピーについての指摘は秀逸です。コピーの考え方、コピーを考えることの意味など、広告に関わる人に限らず、ものの視点を提供してくれる本です。

2007年12月 9日 (日)

私の職業

私の仕事 65人の職業人(プロ)の足跡 私の仕事 65人の職業人(プロ)の足跡

販売元:実業之日本社
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本屋さんの仕事を考えた流れで、他の仕事についても学んでみたくなりました。少し古いかもしれませんが、たくさんの方が自らの仕事について語った本がみつかりました。

私の職業   月刊進路指導編集部  2005年04月  ISBN4408416509

たくさんの「その道のプロ」といえるような方々が自らの仕事について語っています。職業はさまざまですが、共通していると感じるのが、「自らやってみる」ことと、「状況を受け止める」こと。状況を受け止めた上で、どうすればよいかを考えて、実際にやってみる。考えないまでも、やってみて、うまくいかなければ違うことをやってみる。とにかく試行錯誤という印象です。頭でっかちで考えるばかりではなく、こうやって実践の中で学んでいく。このことが大切だと感じます。

ただし大切な視点が一つ。やったことが必ずしも結果に結びつくわけではない、ということ。そのことを受け入れた上で、さらに実践を積み重ねていくことで、何かを得ることができるときもある、ということでしょうか。

2007年12月 8日 (土)

本屋さんのお仕事

書店繁盛記 書店繁盛記

著者:田口 久美子
販売元:ポプラ社
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本のある部屋、と題していますが、本屋さんについてはあまり理解していないようの思い、こんな本を読んでみました。

書店繁盛記  田口 久美子  2006年09月  ISBN4591094332

ジュンク堂書店に勤めておられる田口さんの本です。本屋さんの店員から見た出版業界の状況と、本屋さんで働く人たち、本屋に来るお客さんについて語っています。印象深いのが、お客さんについて。やたら文句を言う人、絡む人、売り物である本を傷めてしまう客など・・・。どこの業界でも同じなのかもしれませんが、お客様にはいろいろな人がいます。自分があるところで客となり、あるところでは逆となる。心したいものです。

2007年11月25日 (日)

インド ものづくり

トヨタとインドとモノづくり―トヨタ流インドビジネスの真髄 (B&Tブックス) トヨタとインドとモノづくり―トヨタ流インドビジネスの真髄 (B&Tブックス)

販売元:日刊工業新聞社
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トヨタのものづくりには定評があります。カンバン方式、改善の仕組みなど強さの源泉とも称えられる仕組みを持っています。そのトヨタがインドではどのようにものづくりをおこなっているのでしょうか?

トヨタとインドとモノづくり  島田 卓 2007年03月 ISBN4526058400

トヨタがインドに進出し、工場を作り、販売網を築き上げる。その過程を追い、観察した本です。非常に印象的であったのは、融通がきくこと。トヨタは自分たちで最良と考える方法を作り上げています。その一方で、環境と現実にあわせてそれらを融通無碍に変更し、調和させていく、その力にも長けていることがはっきりと感じ取ることができます。また、人種が異なるから能力が異なると考えることの誤りも指摘しています。トヨタを学び、インドを学ぶこともできる。地味ですが非常によい本です。

「インドだから牛で引け」

「彼らは正しいことを教わっていないだけ」

2007年11月18日 (日)

ウォルマート 世界最強の小売

私のウォルマート商法―すべて小さく考えよ (講談社プラスアルファ文庫) 私のウォルマート商法―すべて小さく考えよ (講談社プラスアルファ文庫)

著者:サム ウォルトン
販売元:講談社
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Everyday Low Price(毎日安売り)。ウォルマートというとそのようなイメージです。日本では西友を通じてその手法を試していますが、なかなかうまくいかないのが現状のようすです。改めてウォルマートってどのような会社なのだろう、と思い、創業者の物語を読むことにしました。

私のウォルマート商法  サム・ウォルトン 2002年11月 ISBN406256677X

一部の特売品でお客を呼び、他の高めの商品も販売するという手法ではなく、扱っているすべての商品をできるだけ安値で仕入れ、利ざやを少なくしてたくさん販売することで利益を得る。ウォルマートの商法はそのひと言に尽きます。そのために経営者たちは接待や贈り物を拒み、経費を切り詰めるなどの努力を惜しまない。そのような姿が浮かび上がってきます。ウォルマートが仕入れる業者に対しても、自分たちの利益が出ないような価格であれば無理に取引しなくて構わない。お互いにビジネスとしてやっていけることが大切。安いからと言う理由だけで海外から商品を仕入れるのではなく、大量発注などでアメリカ国内でも近しい価格で仕入れることができるのであれば、そちらを優先する。ビジネスで得た利益をもとにさまざまな支援をする・・・。この本に描かれるウォルマートは、精一杯の努力を行い、顧客からも受け入れられるウォルマートの姿を示しています。

それであればこそ、最近報道されることが多いウォルマートのイメージは何なのでしょうか? 周囲が考える「正義」と、創業者が考えた「正義」と。理念の差異のような気がします。ビジネスを度外視した貢献や寄付を求める周囲の姿は、最近の「社会的責任」議論と相通じるように感じます。相手にだけ無償の貢献を求め、それをただ享受するだけの人々を生産する。そういう危うい社会へのアンチテーゼ。そのような印象を抱きました。久々に性根の座った経営者の本を読んだような、すがすがしい気持ちになりました。

2007年11月11日 (日)

リストラを支援するお仕事

最近の好景気(景気回復?)により、リストラという言葉が新聞紙面を賑わすことも減りました。もともとは事業の再構築という中立的な、もしくは積極的な意味の言葉が、すっかり人員削減と同義語にされてしまうなど、若干不幸な側面を背負った言葉だと感じています。

借金取りの王子  垣根 涼介  2007年09月  ISBN4104750023

リストラ対象職場の人と面接し、自ら退職する意思を固めるよう話をもっていく主人公。この人の仕事を描き出しつつも、どちらかというと、人並み以上に仕事ができる人たちがそのような局面に遭遇した場合にどのような心の葛藤を描くのか。主人公とその彼女の姿を縦軸に、面接対象者の姿と心の動きを横軸に展開している物語です。ビジネス本というよりは小説です。ただ、人の心の動きや悩みなどが、さっぱりとした文章のなかに描き出されていて、結構泣ける物語となっています。全体の話はつながっていますが、短編の集まりです。表題作は心からお勧め!! です。男性、女性ともに十二分にかっこいいです。仕事の参考というよりは、仕事にかかわりのありそうな小説として、ぜひお読み頂きたい本です。

2007年11月 4日 (日)

ピクシー再び

ユーゴスラビア元代表選手、ストイコビッチ氏。名古屋グランパスで活躍していた前半は、クレームの多い、怒りっぽい選手。後半はそれでも華麗なテクニックで観客を魅了した選手。そんな印象を持っていました。

1.誇り   木村 元彦  2000年09月 ISBN4087472450

環境の変化に翻弄された人生なのでしょう。それでも、この人のサッカーの能力・魅力については日本よりも海外でのほうがよく知られているように思います。また、名古屋グランパス時代の選手時代の彼が、何に対して怒っていたのか、どういう思いだったのか。今更ながらに学んだように思います。

その彼が再び日本に。そして今度は監督に就任するとのこと。監督とエースの信頼関係があれば、そのチームは強くなる。それがストイコビッチの信念であり、彼が尊敬したベンゲル監督の信念だったようです。その意味で、名古屋グランパスにおいてそのような信頼関係を築くことができるか。新たな挑戦に対してエールを送ります。

かれの現役時代をよく知らない方にぜひ読んでいただきたい本です。

2007年10月28日 (日)

インド ITの効果

インド3連投です。過去2回は、インド滞在者の視点でインドを捉えてきました。今回はそもそもなぜインドがITとともに発展したのか、という視点です。

ITとカースト インド・成長の秘密と苦悩   伊藤 洋一  2007年01月 ISBN4532352417

ITは既存のインドカースト制度の枠組みにはまらなかった。新しいものであったため、ある特定のカーストだけが取り組むというコンセンサスがなかったため、できる人がITに取り組んだ。それにより、カースト制度を意識せずに仕事ができる、という世代が登場したことになる。それが、ITを学ぶことで中産階級の仲間入りができるという、従来にない状況を生み出し、それがITに注力する原動力として働いたワケだ。

法律上禁止されているカースト制度であり、それに対する策として優遇策も活用されている。だが、優遇策の導入によりかえってその存在を意識する状況が生じるという側面もある。その上、優遇策でのし上がった層が、のしあがった後もそれを用いるという側面、また既存の上流・優秀階級に対する逆差別としての側面もある。何事もよい側面ばかりではない。

2007年10月21日 (日)

インドの人たち その2

先週に引き続きインドのお話。前回はビジネスマンの目から見たインド、です。行動範囲はビジネス+αに限られます。それほど無茶な外出などはしておられないようです。食事もホテルのレストランだったりしますし。(それでもエビにあたったりしておられましたが・・・)。

新ゴーゴー・インド  蔵前 仁人  2001年09月 ISBN4947702397

今回はもっとディープに。インドをバックパッカーのように旅する人の目線です。観光地、日々の生活、お祭りの様子など、観光ガイドでは読み取ることができない、地に足がついた情報がたくさんあります。朝のトイレの様子や、ホテルからの外出を禁じられてしまうほど「危ない」お祭りの様子など、とても普通のガイド本では分からない話だと思います。この方も「インド病」にかかっておられるようですが、その分だけ暖かい、すべてを受け入れるかのような目線を感じることができます。前回の本に飽き足りないかた、もう少し深くインドについて知りたい方は、こちらの本がお勧めです。

2007年10月15日 (月)

インドの人たち

BRICsと呼ばれる国々があります。B(ブラジル)、R(ロシア)、I(インド)、C(中国)。それぞれに急速な経済発展を遂げており、注目を集めています。一方で、インドという国は旅行者の好みが大きく分かれる国、という話も聞きます。はたしてインドという国、人々はどういう感じなのだろう??

マカ不思議インド人  築地 正登 1999年04月 ISBN457528954X

仕事でインドに長期滞在(単身赴任)した方の文章です。インド以前にもインドネシアなど数カ国に滞在しておられたようで、海外に対する免疫をお持ちの方だと思われます。一言で言えば「混沌」とでもなるでしょうか。さまざまな人がいて、それぞれの理屈でもって行動する。個々人の力量(言い逃れる力も含めて)はすごいが、大勢が集まると力がうまく集約されない・・・。

ただ、そのようなインドとインド人を語る筆者の文体にはどこか愛情があふれています。今の日本にはない、そして他の国にもなくなりつつある「人間くささ」。それに対する強い愛着を感じておられるのだろう、と思います。

ビジネスマンとしてインドに行く機会のある方は、一読をお勧めします。その上でご自分の目と体で確認してこられるとよいでしょう。

2007年9月 2日 (日)

人生という旅  2

先週に引き続き、生きるということについて。人と交わる中で、自分の越し方、行く末を考え直すことがあります。しらずしらずに影響を受け、自分の生き方を変えていくことすらあります。振り回されたと感じることもあるでしょうが、それもまた人生という気がします。

1.かってまま  諸田 玲子  2007年06月 ISBN4163259703

「おさい」という女性が中心となっています。生まれたところから始まり、断片断片での誰かの人生を主体とした形で物語が進んでいきます。それぞれの断片の主人公にとっては、ある日突然、「おさい」が現れ、自分たちの人生の真ん中に入り込む。そしてなにかをなした後、突然に消えてしまう・・・。そのような断片を重ね合わせていく中で、「おさい」の生い立ちや取り巻く環境、何をなそうとしているのかを浮き彫りにしていく。小説としてもすばらしく、また、生き方を考える上でも参考になる本だと思います。

2007年8月26日 (日)

人生という旅

生きるとはどういうことでしょうか? 日々を楽しむこと、仕事をすること、遊ぶこと、食べること・・・。それぞれの人にとっての「生きる」があるのだと思います。華やかな世界のように思われる映画界。そこで生きることを選んでおられる高倉 健氏。氏が思いを綴った本を見つけました。

1.旅の途中で   高倉 健  2003年05月 ISBN4104604011

背筋が伸びる思い。それとともに一生懸命に生きる人々に対する暖かいまなざしを感じる本です。じん、と心の奥底に伝わってくるものがあります。一生懸命に生きる人の姿に共感し、拍手をし、見守る。そんな姿が目の前に浮かぶように思います。素晴らしいと感じた節がたくさんありますが、一つだけご紹介。

いい人との出会いというのは、人生の宝物だということを強く思います。素晴らしい人との出会いがあるから、長い間、俳優を続けてこられたのかもしれません。

あとはぜひ、お手にとってお読みいただきたい。そんな本です。高倉さん、ありがとうございます。

2007年8月19日 (日)

マーケティング  コトラーを読む

マーケティング。先月も1冊紹介しましたが、興味が継続しているので引き続きご紹介。

マーケティングの大家と呼ばれる先生がいます。MBA取得時などに基本書としてあがってくるような先生方。事象から説き起こした本は読みやすくて、関心を引きますが、もう少し事象を深く考えるようになると、基本書を読みたくなるものです。

1.コトラーを読む  酒井 光雄  2007年04月  ISBN4532111397

基本書をと書きましたが、あえて解説本にしました。いくら興味があっても読み物からいっきに基本書となると1階から2階に飛び上がろうとするようなもの。せめて間にはしごか階段が欲しいと思うのが人情というものです。

コトラーの理論について、ざっくりと解説してくれます。先月ご紹介した本(キミがこの本を買ったワケ)を横において、参照しながら読むと個別事象と理論とのつながり、理論の限界、ともに感じることができて面白く感じることでしょう。理論はいずれ個別事象を包含するか、例外として切り捨てるかして進化していきます。その流れを感じるというのも一興かと思います。

2007年8月12日 (日)

プレイバックシアター

演劇において、観客はあくまで観客であり、舞台に参加するわけではありません。役者と観客には明確な線引きがある。このように認識していました。この形をとる場合、役者は観客に挑み、観客が受けて立つ、という構図があるように思います。どこかさめた視線が舞台上の役者に注がれるという図式です。そう感じていたとき、それとは異なる形態があることを知りました。

1.プレイバックシアター入門  宗像 佳代 2006年08月 ISBN4750323802

 プレイバック。観客のなかから自分の体験とそのときの感情を語る人を募ります。その人の話を聴いた役者が、語り手の体験や感情を舞台で表現するという形の演劇です。語り手の物語を「再現する」という意味でプレイバック。それをおこなう舞台(シアター)という訳です。これによりつらい話を語った人は、役者やその場に居合わせた観客とそのときに感じたつらいという感情を共有する。楽しい話を語った人は、他の人と楽しかったという気持ちを共有する。まるで心理的な治療の場のようでもあります。それだけに舞台を演じるには相当の配慮があるようで、音楽をもちいるなど、一定の仕組み・装置を用意するそうです。

自分が語った話が、すぐ後に他の人によって演じられ、たくさんの観客そして役者と共有される。なんだか不思議な、ワクワクするような体験ですね。

2007年8月 5日 (日)

イッセー尾形  舞台の裏側

舞台を見に行くとします。観客は舞台のみから何かを感じ取り、その舞台を評価し、感想を抱きます。それがすべてではありますが、もう少し深く役者のこと、脚本のこと、演出のことなどを知りたいと思うことがあります。

1.イッセー尾形タンスの中身  森田 雄三  北国出版社

一人芝居を続けるイッセー尾形氏。彼の舞台を演出している森田さんが書いた本です。見開き2ページ。片側に舞台写真が一葉。もう片側にそれにまつわるエッセイ。イッセー尾形氏の演目とその背景となった感情、記憶、出来事などが綴られています。まるでネタ本をみているような錯覚すら覚えます。この一冊を読むと、このコンビが目指してきた方向が理解できるようです。

それにしても彼らが少年、青年時代をすごしてきた環境と、今の環境は大きく変わったものだと感じます。そういう視点もこの本を読むときには大切な気がします。舞台芸術とその時々の世相は切り離すことが難しいようです。

2007年7月29日 (日)

英語屋さん  ソニーの井深さんとともに

英語を使えるようになりたい!  たくさんの人の願望だと思います。ではどの程度なら「使える」レベルなのでしょう。実際に「使っている」人はどのようなレベルなのでしょうか。

・英語屋さん  裏出 善文  2000年02月  ISBN4087200167

 ソニー入社2年。当時名誉顧問だった井深 大氏のかばん持ち兼通訳のような仕事を4年半務めた方の本です。英検1級を持ち、学生討論などでそれなりのレベルで英語ができた筆者が、通訳の仕事で苦労しながら学んでいく面を柱としながら、ソニーの創業者である井深氏の人となりや、ソニーのいきいきとした社内の様子などが映し出されています。通訳は周到な事前準備と、日々の努力・学習の賜物であることがうかがい知れます。ここで強調されていることが、話すことの内容が大切である、ということ。通訳・英語の巧拙の前に、話そのものが十分な内容を持っていることが重要であることが分かります。英語の勉強の前に、本業の勉強が大切。そう語っているようです。

2007年7月26日 (木)

マーケティングの不思議

マーケティングというと何を思い浮かべますか? 「広告」という答えが一番多いだろうと思います。商品・製品を売るための仕組みづくり全般をまとめてマーケティングと呼ぶので、実際は販売戦略、価格設定、商品開発の方向性、広告戦略など多岐に渡ります。そのように難しくかんがえるが一般的ですが、もっと簡単に、要諦を押さえた本はないものでしょうか。

1.キミがこの本を買ったワケ  指南役  2007年03月  ISBN4594053253

ものが売れる訳、売れなくなった訳。これは結局のところはよく分からない、と述べています。なぜか魔法が解けてしまったから売れなくなった、と。現実はそうではないかと思いますから、この著者の説明は非常に正直だと感じます。後からどんなに理屈をつけたとしても、最後のところはわからない。だからこそたくさんの担当者がいて、切磋琢磨し、口角泡を飛ばして議論するのでしょう。

その中でも面白いと思ったことを2つ。

・流行は上位25%に入ることが大切。

・クラスで4番目にかわいい子がもてる

内容はぜひ自分で確認してください。読みやすくて、それでいて考えることが多い本です。

2007年7月22日 (日)

本当の実力  転職をしないという選択

若手が3年以内に辞めることが多いそうです。「やりたいことができないから。」だそうですが、本当でしょうか。転職した後はやりたいことができているのでしょうか。転職すればすべてが解決する、というものではないはず。転職することが決断であれば、転職しないことも決断であるからです。

・あなたの「本当の実力」を会社に気づかせる方法  大久保幸夫、佐藤文男  ISBN4569642411  2005年07月

人材評価を、社内評価と市場評価の2側面を用いて9分類で示します。(お宝社員~出直し社員)。その上で、そこからどの方向を目指して向上するとよいか、そのためには何をすればよいかを分かりやすく語っています。転職する前に自分の現状を確認する。評価を上げるために何をすべきかを把握する。その上で転職が解決策になるのであればすればよい。非常にわかりやすい論旨です。自分の立ち位置に悩むかたにお勧めです。 

2007年7月19日 (木)

プロフィット  利益の出し方

企業は利益の獲得が至上命題である、という議論があります。これについて善悪を語る議論がありますが、お金と同じで利益そのものは中立的な概念だと思います。利益の稼ぎ方がおかしい場合に、それを悪いと評価する。人様のお役にたって、それによって利益を稼ぐことは善と評価される。そういうものでしょう。それでは、その「利益」。どうやって生み出されているのでしょう。

1.ザ・プロフィット  Adrian Slywotzky  訳:中川 治子  2002年12月 ISBN4478374228

利益の稼ぎ方には類型がある。それを先生が生徒に一つ一つ教えていく、という形で話が進みます。さまざまな企業が利益獲得にしのぎを削っていますが、その利益の源泉がどこにあるのか、どのようにすることで利益を獲得することができるのか。読み進めていくことで、頭の中がすっきりと整理されていきます。自分が属する業界、業種をそれに当てはめて考えていくことで、自分の仕事にも生かすことができそうです。なによりも物語り形式なので、飽きずに読み進むことができます。これはお勧めです。

2007年7月15日 (日)

科学とは仮説のかたまりである?

科学、科学的、と言われると、なんだかとっても正しいこと、正確なことだと感じる人が大半ではないでしょうか? 科学的な説明だから正しい、科学的に立証されている・・・。そのように言われると、反論の余地がないように感じます。なんだか割り切れないものを感じていたのですが、思いがけない本を見つけました。

・99.9%は仮説  竹内 薫  2006年02月  ISBN4334033415

科学とは反証可能なものである、という定義があるそうです。物事をある仮説に立脚して説明する。それにより事象をうまく説明できると考えることができるとき、それは「科学的に正しい」という評価になるようです。この場合、注意するべき点が2つあります。1つは、その理論が基礎としている仮説は何か、ということ。もうひとつは合理的に説明するために見捨てた(異常値だと考えた)ものは何か、ということ。自分の仮説を説明するにあたり、たくさんの実験を行いますが、仮説に見合わない結果を得た場合に、「これは仮説が間違っている」と考える場合と、「これは結果がおかしい(=仮説は正しい)」と考える場合の2通りがありえるそうです。

科学的に「正しい」とされたが、後に評価が変わったものはたくさんあるようです。ニュートンの力学法則はアインシュタインによって否定されましたし、ロボトミー手術もそう。科学が意外と脆弱な基盤の上に成り立っていることを実感する本です。理系のお話が苦手な方でもよく分かる本です。おすすめ!

2007年7月 8日 (日)

やわらかな心  音楽家と数学者の対談

何事かを成し遂げた人たち、一流といわれる立場にいる人の言葉は、何かしら私たちが気づいていないもの、見えていないものが込められていることが多いもの。謙虚に耳を傾けるだけの内容と重みがあるように感じます。

・やわらかな心をもつ  小澤征爾 広中平祐  1984年10月 ISBN4101228043

いまやすっかり大家となった音楽家と数学者の対談です。海外で学び、活躍するお二人が縦横無尽に、心置きなく語っている様子が新鮮です。アメリカで成功するには突き抜けることが大切。ほかと同じレベルであれば、同じ国の人が優先されても文句は言えない。選抜するほうにも、なぜ彼(彼女)を選抜したのか、ということを周囲に説明する必要があるから。同レベルだと、周囲を納得させることは難しい、といいます。

また、人が成功するには、運と鈍と根が必要だ。運とともに、鈍と根。周囲に惑わされず(鈍)にじっくりと考え、解決を導く力。じっくりと取り組むだけの根気。それがあれば成功するというものではないのでしょうが、成功している人にはそれがあるようだ、と説きます。今でも通用する、重みのある対談です。

2007年7月 1日 (日)

石鹸といっても  EM石鹸

せっけんの香り、と聞いて何を連想しますか? 私にとっては、洗濯し、天日で乾燥した洗濯物をたたむときにほんのりと香るにおい。心地よい香りです。そんな石鹸にも種類があるのだそうです。純石けんと石けん。昔は純石けんばかりだったとか。

・環境浄化石けん   森田 光徳  2005年04月  ISBN4763195921

合成洗剤が悪者として扱われたのはいつの話だったでしょうか。高度経済成長期。河川には白い泡がぶくぶくと・・・。今では見られない光景です。しかし、今でもそれが与える害は続いている、と筆者は主張します。洗濯物の白さを気にするがために、効果がきつすぎる、という訳です。結果として自然界の生き物にもきつすぎる。すこしばかり手間はかかるけれども、昔ながらの石けんの良さを見直しましょう。最近は石けんも改良されて、使いやすくなりました。白さを求める人にも十分対応できます。純石けんなら、洗濯も洗髪も、体を洗うのも、洗顔も。一個で万能の働きをします。

本書では、さらに一歩すすんで、石けんに微生物を混ぜることで、環境に対してプラスの働きかけをしよう、という意欲的な石けんが紹介されています。ドラッグストアで商品棚をよく観察すると、純石けんってありますね。EM石けんも置いてくれるとうれしいな。さっそく試してみたいです。

2007年6月24日 (日)

銀座のおすし  すきやばし次郎

おすしを食べたい! そんな気持ちになることはありませんか? 回転すしのおかげでおすしは身近なものになりました。そのおかげで、逆に、回らないすしってどういう感じになるのだろう、と考えるときがあります。値段が高い、敷居が高い、客のレベルが高い。高いばかりで縁がないけれど、気になる。そんな方にお勧めの本を見つけました。

1.すきやばし次郎 旬を握る  里見 真三  2003年12月 ISBN4167656167

銀座にはすしの名店が多いそうです。その中でもトップクラスのお店のひとつが「すきやばし次郎」。店主 小野二郎率いるお店です。一人25000円くらいかかるそうですから、おいそれと行くことは望むべくもありません。しかし、そこで握るおすしとはどういうものか。それを思想、ネタ、仕込み、接客まで含めて丁寧に語ってくれる本です。ネタの写真が掲載されているので、興味本位で見ていても楽しいです。これを読むと、すしの値段が「時価」となっている理由、銀座のおすし屋の値段が高い理由も、納得するかどうかはともかくとして、そういう考え方なのね、と理解することができます。これを読んで、「すきやばし次郎に行ってみたい!」と思ったあなた!  予約は忘れずにね。

2007年6月21日 (木)

品格  男にも女にも

国家の品格という本があります。この本以来、「品格」と銘打った本がたくさん出ているように思います。国家、女性・・・。あれっ? 男はないの?  そんな疑問を抱いていたら、こんな本がありました。

・男と女の品格   深谷 ミエ   2006年10月  ISBN4286015688

言葉遣いという側面から品格を語ります。言葉は丁寧に使いましょう。言葉がその人をあらわします。そして振る舞いは落ち着いて。丁寧な言葉と落ち着いた振る舞い。この2つにより「品格」が磨かれる、と説きます。そしてその積み重ねがよい社会へとつながる。主張は極めて明快です。

そして、このような主張がなされる現状を考えると、それが不足しているという現実に行き当たるのだと思います。衣食足りて礼節を知る。周囲に目配りをするだけの余裕が出てきたということなのでしょうか。

2007年6月17日 (日)

うまくいく考え方、答え方

仕事を進めていくなかでは、他者の存在を無視することはできません。上司、同僚、部下。客先・・・。関係者と言われる人たちはたくさんいます。みんな自分の言うことを聞いてくれないなぁと悩むことも多いことでしょう。

・Yes, andで、すべてはうまくいく!  樋栄 ひかる  2006年09月 ISBN4344012259

うまくいかないなぁ、と悩んでいるあなた! まずは受け答えから変えてみましょう、と説きます。何かを言われて、「でも、」とか「しかし」など、その後に否定的なニュアンスの言葉を使っていませんか? 自分の意見を通すために、相手の意見や思いを否定する。無意識のうちで、そのような状態になっている、といいます。それよりも、まずは相手の意見・言葉を受け止める(Yes)。そして、それに対して何かを付け足す(and)。そうすることで相手は自分を受け入れられたと感じ、その上、あなたが付加価値をつけてくれた、と喜んでくれる。喜んでくれれば、あなたの意見や思いも尊重してもらえるようになる。そう説いています。

そんなにうまくいくかなぁ、と疑問に思う方もいらっしゃるでしょうが、騙されたと思って1日やってみませんか?面白いことが起こりますよ。

2007年6月14日 (木)

構造改革の舞台裏  竹中さん

夏の選挙が近づいてきました。政党の宣伝車が街を走り、支持を訴えています。安倍内閣発足から約10ヶ月。格差論や年金問題などと銘打った議論も盛んですが、選挙向けに打ち上げた花火のような印象です。華やか、目立つけれど内容は薄い。そこで、こんな本を読んでみました。

構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌  竹中平蔵  2006年12月  ISBN4532352487

今更紹介するまでもないでしょう。小泉内閣で構造改革を担当してきた竹中平蔵氏。彼が当時の日記を元に書いた、当時の舞台裏と改革へかけた思いが綴られています。守秘義務があるでしょうから、すべての事実が書かれているわけではないでしょう。しかし、政策当事者の語る本。これは、政治の現実・舞台裏・人間模様をうかがう上で貴重な資料です。数多くの批判にさらされてきた氏が語ります。批判には3パターンある。

1.とにかく反対     対案なし

2.永遠の真理をかざして批判   誰も否定できないが、どうすればよいという議論なし

3.レッテル・ラベルを貼る    「○○主義だ!」  定義・内容なし

どれも生産的ではなさそうですね。税金という経費を投入してなされる政治、行政という行為。志と矜持を期待したいです。

2007年6月 7日 (木)

渋滞から学ぶ  渋滞学

渋滞、混雑と聞いてよいイメージを思い浮かべる方は少ないことでしょう。ゴールデンウィーク、お盆、年末年始。高速道路はいつも渋滞します。毎朝の通勤ラッシュも一種の「渋滞」でしょう。人(車)が多いから渋滞するんだ。結論は単純な気がしますが、そもそも渋滞って何なのでしょう。また、どの点を臨界点として生じるものでしょうか?

・渋滞学    西成 活裕  2006年09月  ISBN4106035707

渋滞を研究するした本ですが、一般向けに書かれた本ですから、分かりやすい構成となっています。学問的な記述は1章だけ。あとは気になる事例をもとに渋滞を解き明かしていきます。通勤電車で、「後続列車が遅れているため、当駅で時間調整のため停車します」というアナウンスにイライラした記憶を持つ方はたくさんいらっしゃると思います。これも渋滞緩和という観点から考えると、大切な調整であることを教えてくれます。毎日(?)目にする渋滞(混雑)を、学問してみる、というのはいかがでしょうか?

2007年5月27日 (日)

運命の仕事 天職に出会う

上司は自分のことをわかってくれない。今の職場では自分が磨かれない。・・・・。新しい仕事・職場についてしばらくすると、さまざまな不満が噴出してきます。最近では「自分探し」と称して流転する人たちもいるようです。それらに共通することですが、私はこれだけの能力があるのに活かしてもらえない、という気持ちがあるように思います。

・和田裕美の運命の仕事に出合う本  和田 裕美  2006年05月 ISBN4479791604

不平・不満を言いながら目の前にないものを求めることよりも、今の仕事をきちんとこなしましょう、と提唱しています。最初はお茶汲みやコピー取りかもしれません。だけど冷静になって考えれば、最初から企画を立ち上げ、遂行できる人ばかりではないはず。今はそれ以外の仕事ができないからこそ、今できる仕事として雑用がある。その仕事を、雑用だからといって手を抜くのではなく、目の前にある仕事をしっかりとする。そうする中で、商品知識、仕事の知識などを獲得することができる。それこそが次の舞台への橋渡しとなる。また、自分から能力を磨き、自分の幅を広げることで将来への選択肢が増えてくるので、自分から動いて準備しましょう、と説いています。自分から動くことで新たな機会も生まれてくるし、経営者の視点に立つと仕事の異なる側面も見えてきます。目の前のことにしっかりと向き合っていきましょう、と優しさのこもった、暖かい文章で説いています。

こころに語りかけてきて、すとん、と納得できる。そんなよい本です。目の前のことを精一杯こなす+将来にむけて自分を磨く。回り道のようで、それが王道。

冒頭の人たちに共通すること。自分はよいが人はだめ、という認識。だけど・・・、あなたはその上司のことをすべて理解していますか? 上司がかかえている苦悩や苦労を感じ、共有できますか? 自分の能力がすごいということをどうやって人に伝え、納得させていますか? 

そう考えると、自分が活かされない、と言う人にも2種類あることが見えてきます。批判をするだけの人と、自分をどうやって活かすかを考えて実行する人です。人の文句を言う前に、自分探しという前に、「自分磨き」をしましょうよ。そのほうがきっと前向きに生きてゆけると思いますよ!

2007年5月20日 (日)

心の動き

人の心は難しい。良かれと思ってなした行為が相手を怒らせたり、何度言っても言うことを聞いてくれない人がいたり。人間の感情は勝手気まま、という印象があります。一方で、書店に行くと、人の心を思うままに操ることが可能であるかのようなタイトルを冠した本が場所を占めています。それだけ人の気持ちを知りたい、自分の言うことを聞かせたい、という欲望が強いのかもしれません。

1.人を動かす  デール・カーネギー  1991年11月 ISBN4422101013

2.私はどうして販売外交に成功したか  フランク・ベトガー  1964年09月 ISBN4478540098

前者は言わずと知れた名著です。ハンディ・ブック版の出版年月を記載したので新しい本のように思われるかもしれませんが。人は自分のことを中心に考えるもの。そのことを認識した上で、人に気持ちよく動いてもらうためにはどうすればよいか、について具体的な事例をあげて述べてあります。

後者は、そのカーネギーの話し方教室を受講したことのある元プロ野球選手。怪我でプロ野球を引退し、保険の販売外交で成功した人が、成功するために自分が行ったことについて述べてあります。前者を販売外交という具体例でどのように実行したかを示していると位置づけるとわかりやすいでしょう。

行動することで自分の性格が位置づけられる、変えることができる。その思いを強く感じる本です。人の心をどうやれば操作できるか、ということではなく、自分の心をどうやればよりよい方向に動かす事ができるか?  そういう観点で読んでいただきたい本です。

2007年5月13日 (日)

持丸長者 ・・・ お金持ち

「持丸」=「お金持ち」という意味だそうです。丸がお金を意味し、それを「持っている」からお金持ち。明治時代くらいまで用いられた言葉のようです。お金持ちはどうやって生まれるのだろう? 長続きするお金持ちとそうでないものとでは何が異なるのだろう? そんな思いから1冊の本を手にしました。

持丸長者  広瀬 隆  2007年02月 ISBN4478920442

江戸後期から明治にかけての「持丸長者」の変遷を切り口として、社会の動きを追った本です。江戸時代は両替商と呉服屋。明治前半は藩閥関係者、地主。後半以降は財閥関係者。役者は変わっていきます。また、財閥と言っても、さまざまな形でかかわりがあることも分かってきます。以前から、なぜ、三菱が明治以降に台頭したのだろう? という疑問を抱いていたのですが、よく分かったように思います。

この本を読んで、これだから財閥は、とか閨閥は、というところに関心を抱く人が大半だと思うのですが、もうひとつの問題提起がなされていることに気がついて欲しい。

それは、明治維新の中で埋もれていった人たち。名声や功績として世間や後世に称えられる人たちと、陰に埋もれていった人たちを分けたものは何か? 「正しい歴史観」を持つことの難しさ、を痛感した1冊です。

2007年5月 6日 (日)

投資家と相場師

投資家は長期的な観点に立って資金を投資し、相場師は相場の上げ下げを読み、仕掛ける。よって両者はまったく別の人種である。ながらく両者の違いをそのように考えてきました。前者は「よい人」で後者は「悪い人」。この両者を隔てるものばかりに注目していたのですが、さて、共通点はないものでしょうか?

ビジネスは人なり投資は価値なり  ロジャー・ローウェンスタイン 1998年05月 ISBN4893465902

世紀の相場師ジェシー・リバモア  リチャード・スミッテン 2001年06月 ISBN4047913715

前者はウォーレン・バフェットについて書いた本。バフェット、リバモアともに相場の世界で大活躍した(している)人です。2冊を読んで気がつきました。相場の世界で大成功している人に共通する点。それは

・自分で考えて、自分で決める

・相場に参加することそのものを楽しんでいて、十分な時間をそれに費やしている。

・待つことを知っている

情報をどう集めるかは流儀があるようですが、インサイダー情報や人からの情報ではなく、公開情報から(バフェット)、相場の動きから(リバモア)。いずれも誰もが見ることができる情報を基礎としています。その上で自分の考え、読み、嗜好などを組み合わせて決める。人が言うから、という理由ではありません。そして、この「調べて考える」作業を楽しんでいるように見えること。一生懸命調べて、考える。失敗もする。その中から次の工夫を見出していく。ここには「お気楽な投資」というちまたのイメージはありません。また、割安な株式を探し出して投資し、本来の価値に戻るのを待つ(バフェット)。相場がいずれの方向に動くかを見極め、慎重に仕込み、そのときを待つ(リバモア)。いずれも自分の仕込みと結果の間に一定の時間が必要であること。相場での値段は、いずれ一定の値段に向かうことについて確信を抱いた上での行動です。

一億総投資家、お手軽に投資、など耳障りのよい言葉を耳にすることが多いこのごろですが、先達の行動や考え方からは学ぶことが多いようです。

2007年4月29日 (日)

今を生きる 座禅

いかに生きるか? 難しい命題です。人生に明確な目標を設定し、日付を決めて・・・。さまざまな「生き方」が紹介されています。行動が習慣を作り、習慣が思考を築く。そう考えると先人の行動の真似をすることは重要でしょう。しかし、足元を見つめたとき、その人の基礎になっているものはなにでしょう?

座禅   對本 宗訓  1999年11月  ISBN439314399X

人間いかに生きるか?  あれこれ考えて、小手先を考えるのではなく、今を一生懸命生きること。それが根本である。全編を通してそのことを強調しているように感じます。仏教という宗教を信じるかどうか、そのことは問題ではない。仏教について平易に語った本です。禅は座っていなくてもできる。常に禅である、という話も紹介されていました。「○○がないからできない」ということなく、「今できることを精一杯やろう」。この意識が大切なのでしょう。

2007年4月22日 (日)

美しい言葉、日本語

「美しい国、日本」。政治の言葉に「美しい」という言葉が使われる時代になりました。この言葉の危ういところは、それが何を意味するかが明確ではないところ。それでいてよいことをイメージしていることは万人が感じる。このあいまいさだろうと思います。「美人」といっても各人の考える図柄が異なるようなものでしょうね。最近は書籍でも美人と言う言葉を用いたものが増えたように感じます。景気がよくなってきたからか、お金以外にも価値観があるはず。それは何だろうという迷いからか。人々の意識が移り変わりゆくさまを目の当たりにするようです。

1.美人の日本語   山下 景子  2005年03月  ISBN4344007514

2.美人の心得   岩下 宣子  2006年10月  ISBN4862340482

3.男と女の品格  深江 ミエ  2006年10月 ISBN4286015688

日本語には美しい言葉があります。それを再認識するため、一語一語を丁寧に紹介してくれる本が「美人の日本語」。日本語を学ぶだけではなく、教養・季節感というものも感じることができます。

マナーの観点を述べたのが「美人の心得」。女性だけではなく男性版があってもよいと感じました。なぜか男性版は少ないですよね。

言葉遣いに焦点をあてたのが「男と女の品格」。美しい言葉を使う。それにより心の持ちようも変わってくる、そういう問題意識を感じます。

2007年4月15日 (日)

生き方を考える

人はどう生きるか? 大きな命題です。大きすぎる命題でもあります。他の人はどのようなことを考えているのか。どんなことをしているのか。気になることでしょう。考えることも大切。ただ、やってみることはもっと大切。そう感じます。

今日は死ぬにはいい日だ。  木戸 寛行  2005年07月  ISBN4097278711

ナバホ族にインディアンの名前をもらいたい!  その一念だけを胸にアメリカにわたる。出会った人に自分の思いを伝え、どこに行ったら良いかを尋ねる。それを繰り返してついにナバホ族に会う。自分の思いを伝え、「こんなやつは今までいなかった。今後もこんなやつがいないことを願う」と言われながらも、正式にインディアンとしての名前を授かる。

何のため?  きっと理由はないでしょう。その思いを実行するなかで人と出会い、話をし、学んでいく。その中で筆者は出会った人々に何かを与え、何かを得ている。きっと与えたものが大きかったからこそ、目的を達することができた。それを実体験として感じることができた。そんなところではないかと思います。

木を植えた人  Jean Giono/原 みち子訳  1989年10月  ISBN4772190066

初めにお断りです。実話ではありません。しかし実際にありそうなお話でもあります。荒れ果てた土地に黙々と木々を植える。それがいつしか豊かな森になり、人々を魅了する。彼はそれを誇るでもなく、日々その仕事を続けていく。そんなお話です。ここでもそれで自分はどんなメリットを得るのか、という観点はありません。自分にできるかどうか、などという逡巡もありません。ただ、やる、それだけです。

人が何かをするときには必ず合理的な理由が必要だ、と説く人たちがたくさんいます。正面から反論しても「論理的でない」と論破されてしまいます。しかし、本当にそれだけでしょうか?論理からはみ出す部分。汲み取れない部分。そこに思いをいたすことも、人間の営みである。強く感じます。

2007年4月 8日 (日)

会議の活用方法2選

長時間の会議って疲れますよね。「今日は会議ばかりだ」と言うとき、どこかうんざりした思いを抱いていることでしょう。もっと短時間でできないかなぁ。もっと会議が活性化したらいいのになぁ。そんな思いを抱きつつ今日も会議に出る。よけいに疲れる。そんな循環にはまっていませんか?

アイデア会議   加藤 昌治  2006年11月  ISBN4479791809

会議でヒーローになれる人、バカに見られる人  吉岡 英幸  2006年12月 ISBN4774125652

加藤さんは、よい企画はよいアイデアからと考えます。そこでよいアイデアを出すために会議をどう活用するかを提示してくれます。物事を決めるための会議とアイデアを出すための会議は異なる、と言い切るところが素敵です。どちらかというとブレーンストーミングの方法といったほうがいいのかもしれません。

吉岡さんは会議は物事が決まる場である。そこで自分の思い通りの方向に進めるためにどう振舞うべきかを提示します。ヒーローになる、という言葉にこだわることなく、自分の企画を通すためにはどうするか、という観点で読むことをお勧めします。ただし、あくまで企画はよいアイデアが含まれていることが第一であることをお忘れなく・・・・。

2007年4月 1日 (日)

iモードという事業

PHS、携帯電話、メール、そして今ではYahoo!やGoogleなどのネットワーク端末へ。携帯電話は年々進化を遂げてきました。その時々で新たな仕組み、事業を立ち上げた人たちがいて、それを受け入れた(拒絶した)人たちが存在します。受け入れ・拒絶は一消費者として日々直面しているでしょうが、仕掛けている人たちの話は、一部メディアでのインタビューで触れる程度でしょう。

iモード事件  松永 真理  2000年07月 ISBN4048836331

iモードという事業のコンテンツを決め、生み育ててゆくことに大きな役割を果たした人が書いた、彼女からみたiモードの本、です。新たな事業を立ち上げていくに際して直面した出来事、葛藤、仕事の仕方などが躍動的に描かれています。労働基準法などの世界からは逸脱しているでしょうが、仕事の面白さ、厳しさ、現実などさまざまな側面をうかがい知ることができる本です。「彼女からみたiモード」として、他人の目線を借りるよい機会でもあります。

この本を読むときに、もう1冊の本、こちらも併読することをお勧めします。

iモード以前  松永 真理  2002年07月 ISBN4000220098

筆者が就職活動をし、リクルートに職を得る。そしてNTTドコモへ転職する直前までが描かれています。リクルートという会社の面白さとともに、筆者がどのような環境で過ごしてきたのかを知ることができます。iモード事業の立ち上げ時に考えていたことの背景などがここにある、と感じることでしょう。就職活動を摺る中で、会社の仕事って何だろう。仕事の面白さって何だろうと迷いを抱いている学生にもよい教材です。

2007年3月25日 (日)

未知の世界を裏から覗く?

風俗。こう書くだけで賛否両論、どちらも強烈な反応が返ってくることが容易に想像できます。実体験しろと言うつもりはありませんが、どんな世界なのか関心を抱いている人が多いのは確かでしょう。そんな方々に、お店のマネージャーだった方が書いた本を見つけましたのでご紹介します。

2007-12  「お客さん」こーゆーとこ初めて?  赤澤 竜也  2006.10 ISBN4062136201

今は別の仕事をされているそうですが、「こーゆー世界」に飛び込み、マネージャーとしてお店の切り盛りをする中で経験したお客さん、従業員、オーナー、同業者などの様子が描かれています。皆さんが想像されているものとは異なる側面をたくさん見つけることができるでしょう。百聞は一見にしかず、といいますが、この場合一読にしかず。あなたの世界観に新たな要素が付け加わることでしょう。

2007年3月18日 (日)

管理職というお仕事

4月が近づくとそわそわする人たちがいるようです。異動・昇進など要因は人それぞれですが、思い入れの多い方々もいらっしゃることでしょう。ところで、「管理職」って何をする仕事でしょうか?部下を管理する仕事だ、ということが昔の模範解答だったように思います。だけど・・・、自分が部下だったとき「管理」されている、と感じていたでしょうか。また「管理」されて嬉しかったでしょうか? そう考えるとこの「管理職」という仕事、なんだか変な感じがしませんか?管理職に言われた言葉を思い出すと・・・「気合(or死ぬ気で)でがんばれ」、「仕事も減らすけれど、人が減るから仕事は1.5倍だ」・・・・・。いろいろな方がいらっしゃいますが、根性論を振りかざす方々もまだまだ健在だと感じます。そういう方々にこそ読んでいただきたい本をご紹介します。

2007-11 ここが変だよ日本の管理職  宋 文洲  2005.07  ISBN4492531947

 これが正論、というものはない。だけれども、もう少しバランスが必要ではないでしょうか。筆者の主張を勝手に要約すると、この一言に尽きます。精神論も分かる。職人芸だって大切。属人的に仕事が回ることだってあるでしょう。ただ、現状をすべて肯定するのではなく、改善できませんか、という。それが仕事の定量化。何をやっているのか、どれだけ時間や費用がかかっているのか、を把握すること。そこにも改善の糸口がありますよ、と。おりしも「ワーク・ライフ・バランス」や「ホワイトカラーエグゼンプション」などのカタカナ文字が目に付くようになりました。今どうなっているか、を把握することで、どうやって変えていくかを考えることができる。そうすればただ「管理」する人ではなく、もっと積極的な価値が提供できる人になる。まずは、自分が何の仕事にどれだけの時間をかけているか。そこからやってみませんか?

2007年3月11日 (日)

経済学って難しい?

経済学って聞くと、「難しくて訳の分からない数式が出てくる学問」とか「マルクスがどうのこうのと言う学問」という印象が強いです。後者は今更意ってもと思うでしょうし、難しい数式を見て、面白そうだと感じる人は少ないことでしょう。一方「景気がいい・悪い」という話だと誰でも参加できる気持ちになります。そしてあたかも自分は専門家であるかのごとく発言する人がたくさんいます。この違いはなんでしょう?

2007-10 まっとうな経済学  Tim Harford著  遠藤 真美/訳  2006.09  ISBN4270001445

「まっとうな」という言葉はこの本以前に翻訳が出た「やばい経済学」にかけているものと思われます。街中の事象を経済学の観点から考えてみようという本です。この中で特に面白い、と感じた内容を2点ご紹介します。簡単に賛美したり、思考停止してはいけない、ということを思い知らされた一冊です。

・フェアトレード

 フェアトレードを進めると、一部外国企業は排除できるでしょう。しかし、一番利益を得るのは、それによって保護される国内業者と、フェアトレード商品を取り扱う業者であるという矛盾。原産地に残る利益の何倍もの利益が彼らの元に残っている現実があるようです。フェアトレードと銘打っているからよい、と考えるだけでは不十分。フェアトレードにより負担するプレミアムのうち、どれだけの利益が、本来利益を残したい人に渡ったかを確認する必要がある。

・カーボンニュートラル

 カーボンの排出が問題であり、減らすことが大切だと主張する。しかし、本当に大切だと思うならニュートラルをアピールするのではなく、それ以上にカーボンを削減すればよいはず。それなのにそれをしないのはなぜ? これもアピールの一種であるという現実。

2007年3月 4日 (日)

インフルエンザって何?

例年インフルエンザが大流行します。ワクチンも製造されますが、なぜかその年に流行する型とは異なる場合が多いようです。ワクチンができるから、それと異なった型が流行するのかもしれません。それにしても、インフルエンザは昔から聞く病気ですが、いまひとつ何なのか分からない病気ではあります。

2007-09 今年はどうする インフルエンザ  母里 啓子編  2005年10月 ISBN4880496065

「インフルエンザは風邪じゃない」という標語に対して疑問を抱く方々がおられます。「風邪」という病気は幅広くいろいろなものを含んでいる。高熱を発する風邪もあれば、熱はでないがおなかにくる、など。インフルエンザは一般的に高熱を発し、と語られますが、そうではない症状もある、と訴えています。むしろ「インフルエンザは風邪じゃ!」と言い切ってしまいます。また、病気に感染した鳥を「処分」するときに、感染したかもしれないというだけで他の鳥も「処分」すると、結局抗体を持った鳥を処分してしまうことになる。それは抗体を持たない生き物だけを残すことになり、ワクチンに依存する状況をもたらす。。。この文章には説得力があります。

製薬会社の利益や役人の利益など・・・。こういう点について著者が述べていることが正しいのかどうかは分かりません。ただ、異なる視点を持つ人がいるということは知っておく価値があると感じます。

2007年2月25日 (日)

売る!という言葉に潜むもの

たくさん売れ! お客を攻略しろ!!  など・・・。営業の現場では激しい言葉が飛び交います。檄を飛ばす、という意味ではよいのでしょうが、違和感を覚える言葉でもあります。そんなことを言われても、お客さんが欲しいと思うからこそ買うのであって、攻略されて喜ぶ人ばかりではない、と感じます。売り手の都合が前面に出てくる局面です。

2007-08.自分らしく稼ぐ  小阪 裕司  2006年03月  ISBN489451222X

販売、営業に対する疑問に正面から答えてくれる本です。商品が売れるのはお客が買うために行動するから。商品を手にとって、レジで支払いをする。これはお客さんの行動なのだから、お客さんが「そうしたい!」と思うような仕掛けが必要だ、というわけです。

自分がよいと考えるものを伝える伝道者になること。そしてお客が動くような仕組みを構築すること。この2つが整って初めて売り上げがたつ。こう説きます。自分がよいと考えるものを選び、なぜよいと考えるのか、受け手にとってどのようなよいことがあるのか。それを伝えること。お客に好きになってもらうこと。「自分らしく」という言葉は誤解され、誤用されることが多い言葉です。何かをしないことの免罪符として使われることも多いです。しかし、ここで述べられている「自分らしく」は、商いの原点、だと感じます。

2007年2月18日 (日)

故事成語 本当の意味は?

私たちの日常生活は「常識」であふれています。「常識」にしてしまうことで、それについて意識を割く手間を減らし、他の事に注力できる、という訳です。しかしその常識が、もともと持っていた意味と異なる意味を与えられているとすれば・・・・。世の中が移り変わるにつれて、言葉が帯びる意味も異なるもの。こんな観点で見ていくと、「常識」が、実は世の中の流れに大きな影響を受けていること。時として内容がすり返られていることにも気がつきます。

2007-07.コトバノチカラ  宋 文洲  2006年05月  ISBN4625683580

  故事成語を紹介し、その言葉の持つ本来の意味を語る。その上で日本人が思っている意味と異なっていること、著者が感じる思いを述べています。著者の思いがすべて正しいとは言いません。それはご本人もそうおっしゃっています。ただ、違いがある、ということ。その違いから何を得ることができるか、を考えることは大切だと思います。一例を挙げましょう。

「背水の陣」 退路を断って、死ぬ気でやればなんとかなる。こういう意味で教えられた方が多いと思います。少なくとも私はそうでした。川があるため後ろには退けない。だから前に行くしかない。死ぬ気でやるから強い、という論法です。そうかぁ、と思った覚えがあります。

筆者に言わせると、川を背にすることで目の前の事(=敵)に集中できる。集中するから力を発揮しやすい、となります。それでも駄目なら川伝いに逃げればよい、と。ここには「死ぬ気で」とか「必死で」とかいうニュアンスはありません。

その他にも「えっ!?」と思う内容が満載です。どこで意味が変わったかを考えていくと、現代の日本につながる大きな変化を感じることができるでしょう。

2007年2月11日 (日)

アイデアの出し方

「よいアイデアを出せ」、とか「なんか考えろ」とはよく言われること。簡単に出れば苦労しないよ、と思うのが言われる側の常。以前「考具」(加藤昌治)を紹介したことがありますが、尽きないテーマのひとつ、と考えています。

2007-06.アイデアハック!  原尻 淳一、小山 龍介  2006年07月  ISBN4492042598

アイデアの出し方ではありません。情報管理や時間管理などについて、「こんなやり方があるよ」と紹介してくれる本です。よいと思われるもの(アイデア)があれば、使っちゃえ(ハック!)ということでしょう。時間管理についての項目が大いに参考になると感じます。製造業ではやりの「見える化」は、製造現場だけではなく、個人の時間管理にも有効です。時間という資源をどう活用するか。そんなことを意識する本です。

2007年2月 4日 (日)

英語心?

街中で、外国人に話しかけられて「どきっ」としたことはありませんか? 話しかけないで~~、と思ったこともあるでしょう。意を決して話かけてみたら、流暢な日本語が返ってきたりして、ほっとするやら残念に思うやら。なかなかもって難しい、そんな人が多いことでしょう。

2007-5  英語心をわくわくさせて  本城 武則  2005年06月  ISBN4777101428

英語ができなかったのに海外で飛行機操縦のライセンスを取得してしまった、そんな筆者の体験談が語られています。英語で考える必要なし。日本人なんだから、日本語で考えて、それを英語に翻訳すればよし、と説きます。目からうろこだったのが、「英語がペラペラ」と思うレベル。

「英語がペラペラ」=英語で十分に仕事ができ、成功している人  

こんな人たちでも文法や発音の誤りを指摘されたりする。それでも十分に活躍できる。のだそうです。へぇっっーーー。そうなんだ。

自分の考えを話すこと。その中で失敗もするけれどそれ以上に得るものがある。その繰り返しが英語の力を向上させてくれる。だからこそ、英語を話すことを苦痛ではなく楽しみとしてとらえよう! と説きます。とあるセミナーでご本人が語っておられました。アメリカ人は日本人がどう考えているか聞きたいと思っている。自分たちから語ること、語ろうとすることが大切で、そこから対話が生まれる。こんな趣旨でした。何事もやってみる、この姿勢が大切なようです。

2007年1月28日 (日)

旅行の楽しみ方

旅行の楽しみ方は人それぞれ。現地での出会いに胸を膨らませる人。新たな学びを求める人。感性で楽しむ人。お買い物、食べ物・・・・。十人十色というところでしょうか。旅のエッセイを探していたらこんな本を見つけました。

2007-4  旅の極意・人生の極意  大前研一  2006年07月 ISBN406212968X

コンサルタントとして活躍した大前氏が、こんな旅行をしてきた、とおすすめの旅を紹介する本です。忙しい人ほどよく遊ぶといいますが、目いっぱい仕事をし、目いっぱい遊ぶという姿勢を感じることができます。氏のことですから、紹介されているものもそれなりに一流。そのまま体験するには十分なお金と時間が必要な気がします。それでもこの中から気になるものを選んで体験してみる。そんな瞬間があってもよさそうです。個人的にはヴェネチアかな。沈む前には行っておきたいです!

2007年1月21日 (日)

問題解決の方法

前回、考える技術という本を紹介しました。論理的に考える訓練をすること。そのとおりではありますが、もう少し大きなテーマだったらどうすればよいのか? と気になる方も多いことでしょう。考える必要があるのは、何かをよくしたい(=解決したい)から。こんな本を見つけました。

2007-03  問題解決の実学  斎藤 顕一  2006年08月  ISBN4478490503

大前氏が語る方法を、もっと具体的に、「じゃぁどうすればいいのか」というレベルで整理している本、と思います。情報、データを重視する姿勢が特徴です。問題解決のためには仮説の構築が必要である。仮説の構築をするためにはデータをそろえる必要がある。では有効なデータをそろえるためには?  ここに若干の無理がある気もしますが、問題解決のためには「ひたすら考えろ!!」と言われ、途方にくれるよりはまし。そう感じます。

2007年1月14日 (日)

プロフェッショナルとは

プロフェッショナル、という言葉をよく聞くようになりました。昔、ある指揮者が語った言葉は「音楽家には2種類しか存在しない。お金をもらって演奏する人と、そうではない人だ」、でした。お金をもらうかどうか、がポイントだとすると、サラリーマンはすべて「プロフェッショナル」なはずです。なんたって給料をもらっているのですから。芸能人だってそうでしょう。お正月のかくし芸を見るまでもなく、出演料をもらいながら、何かを学び、演じる。学んだ結果は自分の身に残り、その上に報酬まで得る。それなのに、いまさら「プロフェッショナルになりなさい!」という言葉には違和感を感じています。

2007-2.ザ・プロフェッショナル  大前研一  2005年09月 ISBN4478375011

大前氏がプロフェッショナルに必要なものを説いています。

プロとは顧客を第一に考える人である。論理的に考え、創造的にアイディアを出す。この際に「誰が」言っているかは問題ではない、「何を」言っているかが問題である、といいます。では、どうやって考えたらよいのか?

2007-02  考える技術  大前研一 2004年11月 ISBN4062124920

結局のところ、論理的に考えること、に尽きるのでしょう。ただ救いは、論理的に考えることは訓練で習熟できること。近道はない。地道に努力しなさい、ということでしょうか。

2007年1月 7日 (日)

建築家に見えるもの

コンクリート打ち放しの建造物。一見すると、手抜きのような寒々しい印象を受けることがあります。その手法を用いて名声をなした建築家がいます。そもそも建築家って何をするのだろう。そしてどこがすごいのだろう。そんなことを考えていたら興味深い本を見つけました。

2007-01.光の教会  安藤忠雄の現場  平松 剛  2000年12月  ISBN4874606962

大阪府茨木市にある通称「光の教会」。その教会の設計を安藤忠雄に依頼するところから、教会が出来上がるまで、そしてその後について語られた本です。建築家の仕事について流れを踏んで学ぶことができます。

建築家は設計図と模型を作って終了、ではないこと。安藤忠雄がなぜコンクリート打ち放しを選択したのか。現在、その工法がかかえる悩みなど。その中でどうやって自分の思いを表現・実現させていくか・・・。学ぶことが多い本です。

手がかかることでかえって使う人たちの愛着がわく。一見簡素な、無愛想に見えるコンクリート打ち放しも、安藤忠雄が手がけるそれは、精緻な、高度な技量が求められる工事であること。それゆえに現れてくる「力」が存在すること、も初めて知りました。彼にだけは見えているもの。それを図面にし、模型にし、実際に組み上げていく。実際の建築物が出来上がることで始めて他の人(施主、工事をする人も含めて)に見えてくる。芸術の難しい側面を感じます。建築家や映画監督など、自分で製作できない人たちの宿命かもしれません。

本物ほどすっきりとして美しく、かつ、何の工夫もないように見える。その実、高度な技法と確かな技術で出来上がっている・・・。そのことを思い知った1冊です。

2006年12月31日 (日)

生きることと食べること

その人が買っているものを見ると、その人が分かるといいます。何を買うか、いくら出すか。この行動にその人が持つ価値観や考え方が現れるからだと理解しています。買い物という行為は奥の深い行動なのだと感じます。買い物といえば一番頻度が高いのが日々の買い物、つまり食べ物を買うことでしょうか。何気ない日々の行動の中にも個々人の価値観が現れている。面白いことだと思います。

1.美味しんぼ食談  雁屋 哲、岸 朝子  2006年09月  ISBN4990301900

2.食のクオリア  茂木 健一郎  2006年06月  ISBN4791762762

食について語った本を2冊紹介します。「美味しんぼ」の原作者と、40年以上のキャリアをもつ料理記者の二人が、お店のあり方、食品メーカーのあり方、食べる人の姿勢などについて語った本。インスタント食品など「体に有害」と騒がれたが、その批判に応えて対応してきたことなども含めて興味深い話が続きます。戦前・戦後からの日本の食卓の変遷を知るのによい本だと思います。

後者は、脳学者が語った食についてのエッセイです。食についての専門家ではないことで、かえって食がいかに身近にあるものか、を実感できると感じます。

食べ物は自分の体に取り込んで、体を形作るもの。そういうと「無農薬・有機栽培」などという言葉と直結させる人が多いでしょうが、もっと懐深く受け止めてよい題材だと思います。

2006年12月24日 (日)

倒産した企業と再建

日本は長期不況から脱して、戦後最長の好景気、だそうです。それについてさまざまな人が自分の意見を述べておられますので、ここでは議論をしません。景気循環の考え方で行くと、好景気があれば必ず景気の下降期がある訳で、いずれ縮む時期がくるのだろうと考えます。景気が悪いという言葉ですぐにイメージできるのは倒産、でしょうか。倒産するとどうなるのだろう、と思う方も多いことでしょう。

1.ドキュメント吉野家再建  吉田 朗  1988年08月  ISBN4388151939

少し古い本ですが、吉野家の倒産数ヶ月前の状況から会社更生終了までを描いた本です。なぜ倒産したのか。倒産したときに「専門家」たちがどんなことを言ったか。吉野家の持つ資産に対して利害関係者がどんな行動をとったか。再建に向けて社内や更正管理人がどう振舞ったか、などが分かりやすく述べられています。BSE問題のときにも「専門家」が「吉野家の単品集中というビジネスモデルが悪かった」と批判していましたが、この本を読むと印象が覆ります。ビジネスは「単品だから悪い」というような単純なものではない、と。よい商品には相当の力がある、ということを再認識しました。

2006年12月17日 (日)

思い込みとその反対側

思い込み。誰でも一方的に思い込み、うまくいかない場合、行き詰まる場合があることでしょう。私の場合、行き詰れば、後ろを向いて戻ればよい、と考えてきました。しかしそれ以外の方法もあったようです。

1.なぜ「思い込み」から抜け出せないのか  マリヨン・ロバートソン  2006年05月 ISBN4903241122

日本での長い生活体験をもち、日本語を日本人並みに操るマリヨンさんが贈る日本人へのエール。そんな本です。相手にやられる、どうしよう。そう思うのであれば、自分も相手に対して同じことをすればいいじゃないか。こう語りかけます。日本が企業買収されそうで困る、とばかり言っていないで、自分も海外企業を買えばいいじゃない。プロ野球選手がメジャーに流出する、とばかり言っていないで、海外から選手を集めてきて、育てて、売る。そんな手法もあっていいじゃない。そんな「ほぉっ」と思うような話が続きます。

また、日本人に謙譲の美徳などがあることは分かる。だけど国際的に活動するなら他の能力も必要だよ、とも言います。使い分ければいいじゃない、と。日本人はまだまだ進化できそうです。

2006年12月16日 (土)

組織の力と罪人探し

信賞必罰、成果主義・・・。仕事の結果を個人の評価に直結させることが流行のようです。従業員がみな同じ仕事をしている会社や、個人・組織の成果が明確に見える会社・職場であれば、それも当然かもしれません。獲得した利益の10%が自分の報酬になる、と思えば、必死になって取り組み、結果を残そうと考える人もいるでしょう。この場合、それが仕事をする動機になるのだと思います。

それでは成果が獲得利益に直結しない仕事を担当している人はどうなるのでしょう?またそういう会社ではどうやって人を評価するのでしょう?そんなことを考えていたところ、ヒントになる本がありました。

1.トヨタのできる人の仕事ぶり  石井 住枝  2005年05月 ISBN480612205X

  トヨタで仕事ができて評価される人はこういうことをしています、ということをエピソードとともに述べています。秘書から見た、という目線が興味深いところです。仕事の中から学んだことを一般化、抽象化して学んでいった過程がうかがえます。

もっとも印象に残ったことが、「トヨタでは始末書はない」ということ。失敗は失敗した個人だけの責任ではなく、その個人に仕事を任せた上役、ひいては経営陣の問題である。また失敗を経験とし、次に失敗しないような工夫・改善を加えることが大切である、とのことです。肝が据わった、そして反省力のある会社。そういう姿を感じました。

2006年12月 4日 (月)

人の幅を決めるもの

人には「器」というものがあって、「器の大きさ」が人間としての幅、包容力を決めるという考え方があるようです。ただ、この「器」というもの、最初から定まった大きさというわけではなさそうです。経験や思考、学習により大きくも小さくもなる。ここに面白さが潜んでいると感じます。

1.突破するアイデア力  三谷 宏治  2006.09出版  ISBN4796654461

コンサルタントである著者が、自分の経験を語った本です。面白いのは、子供の頃に多読したSFやその他の本によって、自分の思考の幅、アイデアの幅が広がった、と語っていること。世の中に出たらすぐに役立つ「実学」が推奨されるようになって久しいこのごろ。小学生から社会の仕組みを学び、お金や投資について学ぶ。これも大切なのでしょうが、それ以外に、いやそれ以上に学ぶべきものがあるのでは。そんな気持ちになりました。今の子供は忙しすぎるのかもしれません。世間が決めたもの(学習指導要領・進学塾・習い事など)を学ぶことに。

2006年12月 3日 (日)

好きということ

好きこそものの上手なれ、と言いますが、好きなことには没頭できる、という側面を誰しも持っていることでしょう。そして好きなことについて語っているとき、その話を聴いている人が理解できるかどうかは別として、「あぁ、本当に好きなんだな」ということは感じることができるように思います。その感を久々に強くした本がこれ。

1.テツはこう乗る  野田 隆  2006,04出版 ISBN4334033520

 鉄道が大好きな著者が書いた、鉄道への誘い。好きの内容により乗りテツ、模型テツ、収集テツ、撮リテツに分類できるそうですが、一人で複数の分野を楽しむ人も多い様子。鉄道マニアになれそうもありませんが、楽しんでいるなぁということを感じることができる、楽しい本です。文章も読みやすい。すこしせっついているような、口角泡を飛ばすような文体も、好きだからこそ、というところでしょう。

2006年11月19日 (日)

フラット化の効用

「組織のフラット化」がもてはやされた時代がありました。組織内の階層を減らすことで情報連絡・意思疎通が容易かつ迅速になり、結果として意思決定が速くなる、というものでした。このときは組織の運営が主眼でしたが、今や全世界が主眼となったようです。

1.フラット化する社会  トーマス・フリードマン  2006年05月

  上 ISBN4532312795   下 ISBN4532312809

世界がフラットになったことで、活用できる対象であり、競争する対象でもある人たちは全世界に散らばっています。「付加価値が低い」仕事は、付加価値見合いでの支払いをすればよい国、人々に委託します。その代わりに自分たちは「付加価値の高い」仕事をしよう、ということです。変化することが必要という訳です。組織は全世界を対象に仕事の分配・資源の配分を考えます。それに対応して個々人も変化してゆく必要がある、ということです。今やっている仕事を奪われる、と感じる人にとっては厳しい内容でしょう。しかし、一方では、安価な商品(食べ物、衣類、サービスなど)の効果を享受しているのも事実です。新たに仕事の委託を受ける人たちにとっても、従来よりもよい待遇を得ることができるのであれば、成長への端緒となるでしょう。変化に伴う痛みを感じつつも、新たな境地にむかって歩みだす、そういう姿勢が必要だと感じます。

2006年11月12日 (日)

ランニングで頭がよくなる?

「脳力」トレーニングが盛んなようです。電車の中や、職場での昼休みなどに熱中している人をよく見ます。ゲームをするとき、人は無表情になる。そのため感情の表現が下手になるためよくない、という議論もあったように記憶していますが、今ではすっかり「効果あり」という評価ですね。偏差値でもそうですが、物事のある一面を示す指標であるが、ただそれだけのことだ、と突き放して考える態度があってもよいと考えています。

そんなことを考えていたら、こんな本を見つけました。

1.ランニングで頭がよくなる  久保田 競  2003,05 ISBN4584187444

著者は京都大学教授。脳の研究では第一人者だそうです。走ることで脳の動きが活発化し、普段にない量の情報処理をこなすことができる。そのため、脳を運動させる=活性化させる 力を持つ、というものです。数年前から流行のウォーキングよりも効果的、とのことです。運動量が上がる分、必要な情報処理量が増えるでしょうからそのとおりだろうと推測できます。

とはいえ・・・。「ロデオボーイ」のように、座ったままお手軽にダイエット、という機械がもてはやされる今、こつこつと走る、ということが受け入れられる土壌はもはやなくなってしまったかもしれません。むしろそちらの方に危機感を感じるこのごろです。

2006年11月 5日 (日)

火宅の人 裏表

「真実はひとつ」という言葉があります。しかしこの「真実」も、立場や視点が異なれば、ひとつならぬ答え、見方があります。このような考え方は、多神教に特有のものかも知れませんが、有効な考え方であるように思います。そんなことを考えていたとき、興味深い本を見つけました。

1.壇    沢木耕太郎  1995.10  ISBN4103275103

多くの人が「火宅の人」という小説をご存知だと思います。かく言う私も学生の頃に読んだ覚えがあります。ただ、よく分からないなぁというのが率直な感想でした。今回の本は、壇さんの奥様からお話を伺い、資料を調べた上で書いたもの。暴露話、非難するような調子ではありません。作家 壇を見つめながら、それを愛する自分を見つめながら生きてきた。そういう思いが詰まった本だと思います。この本を読んで、改めて元となる小説を読み直してみたい、という気持ちになりました。沢木さんの筆力にも感謝です。

2006年10月29日 (日)

思い込みと既得権

何か新しいことをはじめようとする時、障害となるものはたくさんあります。そんなことができるはずはない、という思い込みがひとつ。そのことに関して既得権を持つ人たちへの対応も課題となります。思い込みに対しては実際にやって見せることで解決することができるでしょう。では既得権を持つ人たちは?こちらには万能の解決策がなさそうです。行動し、実績を積み、多くの味方を作ること。地道に歩んでいくことになりそうです。たくさんのエネルギーが必要ですが、何かを成し遂げるにはそれだけのエネルギーが必要だ、ということでしょうか。

1.ムハマド・ユヌス自伝  ムハマド・ユヌス  1998年09月 ISBN4152081899

2.負けるな町工場   中里良一 2002年06月 ISBN4526049573

前者は今年ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏の自伝です。マイクロ・クレジットという概念をかかげ、実際に生活を支える技術を持つ女性を中心に小額(マイクロ)の貸付(クレジット)を行う、というものです。女性が収益を自らのものとすることで、貧困から抜け出す機会を提供するというものです。5人で組を作ることと、実際に何かしら生活の術を持っている女性を対象としたところがポイントでしょうか。やみくもに援助するのではない、新しい形の貧困対策。今までの対策とは対象と効果が異なる様子です。

後者は中小企業の二代目社長となった中里氏の奮闘記です。ベテランを含めて人心を掌握するまで。その後の展開などについて述べられています。井戸端会議のメンバーになるのではなく、そこに話題を提供できる人になれ、という言葉は示唆に富んでいます

2006年10月22日 (日)

考えるための道具

仕事をする中で、「頭を使いなさい」、「考えなさい」と言われることがあります。物事を知っているかどうかが焦点の場合は、「勉強不足」で片付いてしまいます。一方、発想する、アイディアをひねり出すといった場合はどうでしょうか?また自分の考えていることをどうやったら具現化できるでしょうか。そう考えたときに、なにか便利な方法があればなぁと思いませんか。

1.考具  加藤 昌治  ISBN4484032058

2.朝日記の奇跡  佐藤 伝  ISBN4820716484

前者は考える方法を、数多く、具体的に紹介している本です。その中から気に入ったものを選び、使うことで、考える方法をたくさん自分のものとすることができます。

後者は日記を朝に書くことを勧めている本ですが、そのなかでマンダラートという方法を紹介しています。加藤さんの本でも紹介されていますが、この佐藤さんが考え出された手法だそうです。日記の書き方だけにとどめておくのではなく、他に応用ができる手法だと考えます。

遊び気分でいろいろな手法を試してみましょう。お気に入りが見つかればしめたもの。

2006年10月15日 (日)

仕事の力

仕事をする。言葉にすればこれだけですが、とても奥が深い一言です。与えられた仕事の内容、上司、部下、環境・・・。さまざまなことを考え、気にしながらたくさんの時間を過ごしています。同じ仕事をするなら「楽しく」やりたい。また、「よいもの」にしたい。これはこれで考えることがたくさんあります。

「自由」という言葉もそうですが、「楽しく」という言葉も、人によって使い方、解釈がたくさんあるようです。

1.プチクリ  岡田 斗司夫 2005年12月 ISBN4344010825

2.仕事は、かけ算。 鮒谷 周史 2006年6月 ISBN4761263466

1.は、「プチクリエーター」を勧める本。仕事に責任を持ち、お金を頂くプロクリエーターと対比した表現。楽しく、好きなことをやること。ここに才能がある。それをもとに表現すること。好き!を基礎に、と説きます。好きなことをやっていたら結果としてうまくいった。こういう感じでしょうか。

2.は仕事の力は能力×やる気、と説きます。能力があってもやる気がゼロならば、仕事の結果もゼロ。かけ算、というところがポイントですね。能力が少ないならやる気でカバー。

根性論ではありません。好きなことなら一生懸命できるでしょう?一生懸命することで、結果がでる。もしでなくても前向きに歩める。そういうメッセージを感じます。

2006年10月 8日 (日)

仕事力

仕事ができる人、できない人という区別があります。この「できる」の内容はあいまいです。しかし、仕事ができる人に対して、「こいつは仕事ができん!」とは言いません。「仕事はできるけど・・・」と言って、仕事力以外のところで評点を下げるようです。そうだとすると「仕事ができる」ということはどういう状態を指すのでしょうか。

挨拶がきちんとできるとか、資料の準備などに気配りがきくとか。頼んだことをすばやく実行し、結果をすぐに報告してくれるとか。仕事そのものよりも、それに付帯する事柄をきちんとこなすことができること、が第一のように思います。仕事の基礎に当たる部分です。基礎がきちんとできている人は信頼できるので、仕事そのものも一生懸命やってくれるだろうと考えて、仕事を任せてもらえる。失敗してもフォローしてもらえる。その積み重ねを通じて、仕事そのものの能力も磨かれていく。そう考えると、「雑用」をおろそかにすることは自分の基礎力を衰えさせることになり、結果として信頼を失うことになるのでしょう。神は細部に宿る、という言葉を思い起こすような本です。

1.あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール  浜口直太 2005年12月 ISBN4756908802

2006年10月 1日 (日)

目線と立ち位置

「相手の立場に立って物事を考えなさい」という言葉を聞くことがあります。相手の立場に立つことで、自分が見逃していた気持ちや要望に気がつくことができる。それに対応することで相手が満足し、結果として自分にも見返りがある。そういう趣旨でしょう。

そんなことを考えながら小説を読んでいたら、「お客さん」という言葉が芽に飛び込んできました。学校に通ってくる生徒にとって、自分が出会う出来事は「お客さん」。自分が主体と考えるとそのとおりでしょう。一方、学校に既にいる先生にとっては、その生徒が「お客さん」だったりします。同じ人・物が、視点や立ち位置次第で違うものとして捉えられる。大きな勢いを持って進んでいく物語のなかで、その視線の違いに気がついたときに、はっと気がつくことがある。そんな物語を読みました。ファンタジーというくくりには収まらない、怖くもあり楽しくもある。面白い物語でした。

1.六番目の小夜子  恩田陸  2001年2月 ISBN4101234132

2006年9月24日 (日)

一流ということ

就職活動は大変だ、ということをよく聞きます。面接対策のためセミナーを受講する人、マニュアル本を読む人など、各種「対策」を講じた方もいらっしゃることと思います。

ところが。

世の中には採用は先着順、という会社もあるのだそうです。元々は採用が難しかったから、ということだそうですが、今でも採用は先着順。しかも履歴書は見ない。(見ないでゴミ箱に捨てるのだそうです。徹底していますね。) そうやって採用した人たちが、いずれ劣らず能力を磨き、一流へと育ってゆく。本人の素質×環境×努力。一流になるのに大切なものは、結局のところ、積み上げてきた努力、ということなのでしょう。

1.無試験入社、定年なしで世界レベルの「匠」を育てた  松浦元男 2005,04出版 ISBN4062128888

 樹研工業という会社。100万分の1グラムの歯車を製作する技術を持つ会社。この社長さんが書いた本です。巷をにぎわせている「能力主義」「成果主義」「勝ち組・負け組」などという言葉がかすんでしまうくらい。こういう会社、場が、一流の人たちを育ていることができる。大きな可能性を感じます。

2006年9月17日 (日)

マナーの本質

マナーは何のために必要ですか? と聞かれ、「人を不快にさせないため」と答えていた私。もっと奥が深いことを知りました。

マナー講師の西出博子さんのお話を伺ってまいりました。先生によると、マナーは「みんなを幸せにするため」。へっ? と思ったのは私だけではないでしょう。こういう流れだそうです。

 1.マナーをわきまえた振る舞いをする人は、相手に安心感を与えることができる

 2.安心感を抱いた方となら、信頼関係を構築することができる

 3.信頼関係が構築できれば、お仕事がうまくいく! (可能性が高くなる、という意味ですね)

 4.お仕事がうまくいけば、相手と、自分、自分の会社の三者が幸せになれる。

 5.その結果、三者ともにさらに他(世の中)に対してよいことができる、だから「みんな幸せになる!」

 という訳です。なんだか壮大な話です。でも、相手に安心感を与えること、は深く納得です。安心・信頼があってこそ、仕事を一緒にしてもよい、と思える訳ですし。お話を聞いて、なるほど、と思ったからには、さっそく少しずつ実践。お話を聴いた人たちはみな、いつもより丁寧な(!?)挨拶をして家路についたのでした。この日学んだ本質を思い起こしながら、具体的な個別のしきたりを学ぶ。これでまた一歩進歩です。

マナーの本

1.完全ビジネスマナー  西出博子 ISBN4309243398 2005.05出版

2.NY流魅せる「外見」のルール 日野江都子 ISBN4798012335 2006.02出版

  1.はお話を伺った西出さんの本。具体的な振る舞いも含めて書いてあります。  2.の本は、マナーの中で、装いに焦点を当てています。どのようなシャツがフォーマルか、という点で異なる意見をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、装い全般について簡潔に記されているので、参考になると思います。

2006年9月10日 (日)

商いは飽きない

ビジネスを効率的に、効果的にすすめるには仮説思考が必要だ、といいます。仮説をたて、実行し、検証することで、新たな気づき、対応策を考えることができる。PDCAサイクルを研修等で聞いた方も多いことでしょう。この仮説・検証ですが、小売業であれば、実行した結果が日々確認できるため、実践の機会が多い。それだけ学び、実践する機会が多いということです。なるほど、と思います。小売業は不特定多数のお客様を相手にするため、気苦労も多いでしょうが、お客様の反応が目に見える分だけ、分かりやすい世界だと感じました。

今週のお勧め本

1.仮説思考 内田和成 2006/03出版 ISBN4492555552

2.また一歩、お客様のニーズに近づく 大久保恒夫 2005/01出版 ISBN4761262257

3.新人ツルちゃんの接客営業 鶴岡秀子 2005/03出版 ISBN4478540705

1.は仮説思考について説明してある本です。2.は社長の立場からみた小売業について述べています。こちらも仮説思考を重視しておられます。それとは異なり、3.は営業員の立場からみた小売業の本です。仮説思考とは違う部分が多いのですが、異なる立場の本を併せて読むことで、バランスのとれたよい気づきを得ることができるでしょう。

2006年9月 3日 (日)

人間力

太平洋戦争に従軍し、その後僧侶に戻られた紀野一義さん。人間は死に直面することで肝をくくることができる、と述べておられます。この60年間、日本は、幸いなことに戦争の危機に直面することなく過ぎました。その結果として人間力が弱まるのだとすれば人間とは難しい生き物だなぁと思います。

旭山動物園のつくりかた、にも書いてありましたが、動物はその生涯の大半を「食べるために」過ごすそうです。文字通り生きてゆくために、食べ物を探すこと、そしてそれを食べることに費やす、ということです。今の時代、食べ物を探すことに一日の大半を費やす人は少ないと思います。その分、新しい価値観、従来からあった価値観に新たな観点を付け加えた価値観が必要なのでしょう。

今週のお勧め本

1.心に旗を立てよ  紀野一義 1999/07出版 ISBN4062683172

2.旭山動物園のつくり方 原子禅 2005/04出版 ISBN4434059890

意外な組み合わせかも知れませんが、生きるということを考えるとき、この旭山動物園の職員の方々だけでなく、そこでの生き物のあり方が、大きな示唆を与えてくれるように感じます。

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